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2012年11月8日

◆裁判員裁判を経験しました(弁護士小林徹也)


平成22年2月上旬の4日間、別の事務所の弁護士と2人で裁判員裁判を経験しました。
強盗事件と強盗致傷事件の2件を犯したとして起訴された被告人に関するものでした。
ご存じのとおり、裁判員に法廷に来てもらって審理をするまでに、裁判官・検察官・弁護人の3者で、審理の整理などを目的として、何度も打ち合わせを行っています。

従って、法廷での公判までにもかなりな準備があるのですが、今回は、法廷での公判に限った印象を。
初日午前は、抽選で裁判所に来てもらった39名の裁判員候補者の中から、6名の裁判員と2名の補充裁判員を選任する手続があります。
自ら辞退を希望される人などについてその可否を判断したうえで、検察官・弁護人とも理由なしで5名まで回避することができます。
私たち弁護人は、事前には特に回避する予定はなかったのですが、出頭した方が女性にばかり偏っていたこともあり、何名か女性の方を回避しました。

 

公判では、思っていた以上に、裁判員が証人や被告人に質問をしていました。
また、その質問も裁判官以上に的確なものもあり、驚きました。
1日目が5時前に終わってからも、被告人の方と翌日の打ち合わせを行うために、拘置所に接見に行き、また2日目の夜は、翌日の弁論(それまでの証人や被告人の証言を踏まえて、弁護人の主張をまとめたもの。

これを裁判所で口頭で読み上げる)のための準備、そして、3日目の午前に最後の尋問が終わってから、昼食をゆっくり取る余裕もなく、パンをほおばりながら、パソコンに向かい、印刷するために事務所に戻る余裕もないことから、裁判所で弁論を印刷してもらい、1時30分からの法廷に間に合わせる、とてんてこ舞いでした。
午後になんとか弁論を終えて、3時前には一応検察官・弁護人の仕事は終了、そして翌日午後4時には判決。
検察官の求刑よりも大幅に低い刑でしたが、争っていた様々な事実については、悉く退けられました。

 

無罪を争うほどの事件ではありませんでしたが、やはり、3日間の証人・被告人の証言をじっくり検討したうえで、これらをまとめて弁護人の意見を裁判官・裁判員に伝えるためには、あまりにも時間不足でした。
また、3日目の午後の2時間程度と4日目の午前2時間程度で結論を決めなければならない裁判員にとっても、明らかに時間不足であったろうと思います。

裁判所は、まだまだ裁判員を「お客さま」扱いです。裁判員の負担を軽減させることが至上命令になっているように思います。しかし、この制度を導入した以上、裁判員として裁判に参加することは、国民が司法を監視するための「権利」です。
国民全体に、「権利を行使するのだから少々時間を取られるのは当たり前」という意識が根付かない限り、この制度は成功とは言えないのではないでしょうか。
これからも、この制度の行く末を見守っていきたいと思います。

 

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