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2015年1月22日

◆離婚調停は弁護士をつけなくてもできますか(弁護士小林徹也)


■離婚について当事者間で話しがつかない場合には,急に裁判を起こすことは出来ず,原則として,家庭裁判所に「調停」(裁判所を間に立てた話し合いの場)を申し立てる必要があります。では,この調停とはどのような形で進められるのでしょうか。

  

■調停を申し立てると,裁判所や,申立の時期にもよりますが,だいたい1ヶ月程度くらいで「期日」が決められ,原則として両者とも,その日に来るように通知が来ます(もちろん,DVなどの事情があり,相手と別の日にしてほしい時は,その旨希望すれば配慮してもらえます)。

  

■期日に出頭すると,まずは申し立てたほうから調停委員が話しを聞きます(原則として当事者が顔を合わせることはなく,相手は別の部屋で待たされます)。調停委員は,通常,初老の男女がペアとなっています。また,弁護士などの法律家ではない場合が多いです。

  

■調停は必ずしも弁護士をつけなくても構いません(訴訟もそうですが,訴訟の場合は書面の書き方などにかなり専門性があるので弁護士をつけるべきです)。

 弁護士をつけないまま調停をしておられる方はたくさんいます。

 ただ,私が見聞きする範囲では,弁護士がついていないと,以下のような問題点があるように思います。

  

■もちろん調停委員にもよりますが,概して,説得しやすい方に譲歩を迫る場合が多いように思います。そして,弁護士がついていなければ,「調停委員が言う以上やむを得ないのかも」と考えて受け入れてしまいがちです。十分な知識がないまま,不利な内容で調停が成立している場合をよく見ます。

  

■また,最終的な解決をしないまま中途半端な形で終わらせしまい,後に紛争が再燃する場合があります。

 よくあるのは以下のようなケースです。

 離婚をしたうえで,妻が子を引き取り,夫が一定の養育費を支払う内容で調停が成立しました。夫としては,収入の範囲でなんとか支払える金額を決めたつもりでした。ところが,調停が成立してすぐに妻が「慰謝料を支払え」と訴訟を起こしてきました。

 夫は,調停ですべてが終わったつもりでいたのに寝耳に水です。

 このような調停において,もし夫側に弁護士がついていたら,調停が成立する際に,「ここに定めた以外には今後互いに何も請求しない」(清算条項)という条項を入れることを求めます。妻がもし慰謝料を請求するつもりなら,そのような条項を入れることは認めませんから,慰謝料についても話し合いが続くことになります。夫としては,慰謝料の支払いも念頭において,養育費の話し合いもできることになります。

 ところが,上の例では,調停委員は,妻に「慰謝料については後で訴訟を起こせばよい」と助言しながら,夫にそのことを伝えていなかったのです。したがって,あえて清算条項を入れていませんでした。もちろん,法的には問題があるわけではありません。しかし,「これですべて片が付いた」と夫が考えるのも無理からぬように思います。

 このような例を,私は何件か経験しています(後に,上記のような例の妻,あるいは夫から相談を受けたものです)。

  

■従って,よほど問題がない場合以外は,調停においても弁護士をつけたほうが無難であると思います。費用については,法テラスなどを利用できますので,遠慮なくご相談ください。

 

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