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2018年8月22日

◆刑事弁護の要である起訴前弁護(弁護士三上孝孜)


■起訴前の弁護活動が重要です
市民が犯罪を犯したという疑いをかけられると,警察や検察による捜査が始まります。
必ずしも身柄を拘束されるわけではありませんが,逮捕され身柄が拘束されてしまうと,その被疑者の日常生活に重大な影響を与えます。身柄が拘束されている場合,逮捕から起訴まで長くても23日間です。
そして,起訴されると,裁判にかけられることになり,さらに長期化します。裁判になると,身柄拘束のものでも,判決まで数ヶ月から半年くらいかかることもあります。
従って,刑事弁護において一番良いのは、起訴前の段階で決着をつけて、不起訴に持ち込むことです。
   

■起訴前の弁護活動ではどのようなことをするのでしょう
私は,依頼を受ければ,緊急を要する事件であれば,できるだけその日のうちに、被疑者に接見(面会)し,事情をできるだけ詳しく聞き取ります。また,関係者にも連絡をし,証拠収集に努めます。
並行して,警察や検察に対し,電話や面会などで捜査の進捗や情報の収集に努めます。
警察や検察官は,捜査情報については,とかく秘密にしたがるものですが,何度も尋ねることにより,根負けして、ぽろりと重要な情報を教えてくれることがあります。
また,このように何度も連絡をすることにより,検察や警察に,「いい加減な捜査で起訴することはできない」ということを理解してもらうのです。
   

■不当な捜査に対する厳重な抗議
また,捜査段階で不当な自白調書が取られることが多く,これをどのように防止するかは刑事弁護人の重要な課題です。
この点,私は,被疑者から,「取調官から威圧的な取調を受けている」と聞けば,警察や検察に対して,何度も電話で抗議するのみならず,文書による申し入れを行うこともあります。また,不当な取調が行われているおそれがある場合には,できるだけ接見に行き、被疑者を励ますようにしています。
   

■迅速な証拠収集が大事
また,迅速に証拠を集めることが重要です。私が扱ったある事件では,私が,被疑者のアリバイを裏付ける出店時刻の記録を当該店舗に赴き確認した,僅か数十分後に警察が訪れ、当該証拠を差押えた,ということがありました。
この出店記録がアリバイを明らかにするものとなり,この被疑者は不起訴になりました。
起訴前に警察が証拠を開示することはありませんから,もし,この行動が数十分遅れれば,この被疑者は起訴され,長期間の裁判の中でようやくこの証拠を入手することになったでしょう。あるいは,検察は,最後までこの証拠を出さなかったかもしれません。
このように起訴前弁護では,迅速な行動が重要となります。
   

■万が一,皆さんや、皆さんの親族,知り合いが逮捕されたりした時,そして身近に信頼できる弁護士がいない時には,遠慮なくご相談ください。

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