私は、これまでも松本清張原作のドラマが放映されると、必ず見ていました。
ドラマでは、内容だけでなく、昭和の時代のファッションを見るのも楽しみの一つです。
オシャレなパンツスーツにエレガントな帽子を合わせたり、カーディガンとブラウスの色遣いがなんともレトロ。実際には見たことのない昭和初期の時代が、私の頭の中でよみがえる感じがします。
そこで、いつか、必ず、原作を読んでみたい、特に『砂の器』は必ず読みたい、と思っていました。だた、あまり読書の習慣もなかったことから、なんとなく敬遠していたのです。
2か月ほど前に、ふと『砂の器』上巻だけを買って読んだのですが、これが面白くて、面白くて。少しでも時間があればすぐに本を開きました。通勤途中の電車でも読みたいがために、急行には乗らずに、各停に乗り、座る席を確保し、夢中で読みました。
家に帰れば、日本地図を広げて、犯人の手掛かりとなる『亀嵩』や『羽後亀田』の場所を調べてみたりしました。さらに、ネットで小説に出てきた土地に実際に訪れている人のブログまで見ました。
そして『砂の器』に続いて、『点と線』。これも、よく、ここまで電車の時刻などを入念に調べ上げたな、と感嘆しました。
この2冊を読み終えたとき、松本清張が描いた現実の昭和の日本社会や歴史について知りたいと思いました。
それで、今、下山事件などを扱った『日本の黒い霧』を読んでいます。
小説とは違い、実際に起きた事件なので、インパクトが違います。
ふと、もし松本清張が生きていたなら、今の『秘密保護法案』について、ぜひ、意見を聞いてみたい、と思いました。
(事務局A)