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2018年7月24日

◆セクシャルハラスメント-勘違いしている男性(弁護士小林徹也)


■最近話題のセクシャルハラスメントですが,様々な場面での相談をお聞きします。
例えば,飲食店での店長による女性従業員に対する性的言動や接触というものがありました。
このような場合の加害者である男性は,必ずしも,「いかにも」という人ばかりではないのです。ずる賢い男性は,相手を選びます(もちろんその判断は間違っているのですが)。
つまり一定の範囲の女性従業員からは,「そんなことをする人には見えない」などと言われていたりするのです。
   

■ところが,「こいつには言ったり触ったりしても文句は言わないだろう」と当たりをつけた女性に対しては,例えば,体型の話や,男性との性交渉の内容などの話題を出してくるのです。
もちろん,従業員である女性は,なんとか働き続けたいと考えているので,できるだけ聞き流そうとします。すると,男性は「嫌がっていない」と勘違いしてエスカレートしていくのです。
このような職場で声を上げることはなかなかできません。私のところに相談に来られた方も,退職してからの場合がほとんどでした。
   

■もちろん,男性側から相談を受けることもあります。
男性は往々にして「この程度ではセクハラには当たらないと思うがどうか」という相談ですが,多くの方は少し勘違いしていることが多いのです。
違法(つまり金銭賠償をするほどのもの)というレベルかどうか,は別としても,当該行為がセクシャルハラスメントと言えるかどうかは,被害者が不快に感じたかどうかなのです。そして,いったん被害者がそのような感情を抱き,それが業務に影響を与えた以上,職場の健全な人間関係を維持するという観点からは,そのような行為は許されないのです。
   

■いずれにしてもそのような被害に遭われましたら,まずはメンタルなサポートが必要ですが,きちんと加害者に理解させることは,立ち直る一つのきっかけになることもあると思います。遠慮なくご相談ください。

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