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2020年3月8日

「刑事告訴をするぞ」「被害届を出すぞ」と言われたけど大丈夫?


■ 様々な場面で,相手方から「話しがつかないなら刑事告訴をするぞ」とか「警察に被害届を出す」などと言われ,警察に逮捕されるのではないか,などととても心配されて相談に来られる方がよくおられます。
 
■ 経験した中でいくつか典型的なものを挙げますと,以下のようなものがあります。
① 離婚をしようと夫に告げずに,当面の生活費として夫名義の通帳とカードを持って出たところ,夫から「窃盗だから警察に被害届を出す」と言われた。
② 小型犬が相手方にかみついて少し血が出た程度であったが,相手方から高額な賠償を求められたことから躊躇していたところ,「警察に届け出てもいいんだぞ」と言われた。
 
■ 結論から申し上げますと,上記のような例で警察が動くことはまずありません。
 警察が捜査に動く場合は,将来的に事件として立件できるか,を視野に置いています。つまり,刑事事件として起訴できるかどうか,を基準に動くのです。
 しかも,刑事事件として立件すると身柄拘束までできることもありますから,当事者に与える影響はとても大きく,警察としてもそれなりな覚悟がいります。
 他方で,警察も極めて多忙ですから,形式的に条文に該当しそうなものでも,当事者間の話し合いで解決してしまいそうな軽微な事件について,いざ捜査を始めたところ,当事者から「話し合いで解決しました」と言われてしまうと,立つ瀬がありません。
 上記のような場合は,基本的に話し合いで解決する場合が多く,警察もそれを見越しますから,警察が介入する可能性は低いと思われます。
 
■ ただ,上記のような事情は,理屈というよりかは,長年弁護士として様々な事件を経験してこそ分かるものです。これまで警察のお世話になるようなこともなく,平和に暮らしてきた市民の方が,相手からこのように言われた場合,不安になるのはとても自然なことだと思います。
 トラブルに遭い,関係者からそのようなことを言われ,不安に思われたりした場合には,当事務所まで遠慮なくご相談ください。

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