2018年12月19日

◆他の相続人が被相続人の資産を勝手に使っていたので取り戻したい(弁護士小林徹也)


■他の相続人が被相続人のお金を生前勝手に使っていた
他の相続人が,生前に被相続人の預貯金などを勝手に使っており,それが相続後に判明したことから,それを取り戻せないか,という相談を時折受けます。
例えば,被相続人である母親が亡くなったので,通帳を確認したところ,質素な生活をしていた母親がおよそ使うことが考えられないような大金が,生前に出金されていた。その通帳を生前に管理していたのは近所に暮らしていた長男であった。他の相続人が長男に聞いても知らない,という。
そこで,私は,他の相続人から依頼を受けて,その長男に裁判を起こしたことがあります(依頼者のプライバシー保護のため若干事案を変えています)。
   
  
■この長男は,「自分は出金に立ち会ったことはあるが母親が勝手にしたことでその金を母親がどうしたかは知らない」と主張しました。
そこで,私は,裁判において,長男に通帳を見せることを要求しました。長男は,なかなか開示に応じようとしませんでしたが,裁判所の説得もあり,ようやく開示しました。すると,母親が亡くなる直前に,たくさんのお金を使っていることが判明しました。
また,母親の通帳を見ると,大変質素に暮らしていることもわかりました。
   
  
■こうやって,集めた様々な証拠を前提に,長男に尋問を行いました。
果たして,長男は,いろいろと矛盾した証言をしました。
例えば,長男は母親と仲良くしていたと証言する一方で,母親が大金を引き下ろしても何も聞かなかった,などと述べたのです。
しかし,それまで質素に暮らしていた母親が大金を下ろせば,詐欺に遭っているのではないかなどと,子どもなら当然心配するはずです。それを何も聞かないのは明らかに不自然です。
私は,法廷で,このような矛盾を多く引き出しました。
果たして,判決は,この長男に対して,他の相続人に引き下ろしたお金を相続分に応じて返すよう,求めるものでした。
   
  
■このような事件では,「これさえあれば勝てる」という証拠がなかなかないのが普通です。そこで,様々な事情や証拠を,できるだけ集めて,これを尋問で上手に使うことがポイントとなります。
相続人同士の関係は,かえって赤の他人よりも難しいことがあります。
もし困ったことがありましたら遠慮なくご相談ください。

2018年12月12日

◆職場におけるパワーハラスメント(弁護士小林徹也)


■最近,職場におけるパワーハラスメントがよく問題になっています。
暴力を用いたり,直接に人格を否定するような言葉を用いたりした場合に,これをパワハラと認めることは比較的容易ですが,例えば,しつこく小さなミスを指摘する,長時間にわたって説教をする,注意する声が大きい,など文章にするとパワハラと認めることができるか,が微妙なものもあります。
というか,私が相談を受けた事案はそのようなもののほうが多いように思います。
   
  
■このような,陰湿なパワハラは,言われている本人すら,なかなかパワハラだと感じることができず,「自分が悪い」と思いがちです。また,パワハラだと思っても,実際に上司を訴えたりすることに二の足を踏む方のほうが多いと思います。
   
  
■参考になるかは分かりませんが,私は以前,次のような相談を受け対応をしました。
この依頼者の方も,やはり職場で陰湿な嫌がらせを受けていたのですが,ただ,過度の残業をさせる,小さなミスをいつまでも指摘する,といった,訴訟となるとなかなかパワハラであるとの立証が難しいような事案でした。
ただ,依頼者の方は,うつ病を発症されていたことから,なんらかの対応はせざるを得ませんでした。
そこで,私が代理人となって,その会社の社長,及び職場の上司に対し,厚労省のガイドラインなどを用い,うつ病であり過度の残業をさせないこと,また,本人からのいじめの主張についてはきちんと調査をすること,等を要望する文書を出しました。
その結果,私が職場の上長と話し合い,依頼者の職場環境について,一定の配慮をすることを文書で合意することができました。
   
    
■もちろん,多くのパワーハラスメントの事案で,このような方法をとれるとは限りません。この依頼者の方も,とりあえずはある程度環境が改善されその後何年も勤務されていますが,全く問題が生じていないわけではありません。
ただ,一つの選択肢として,訴訟以外にもこのような方法がありうるということは頭の片隅に置いていただければと思います。

2018年12月5日

◆子連れの相談も遠慮なく(弁護士小林徹也)


■小さいお子さんがおられるお母さんから,「看てくれる人がいないので,子どもを連れていってもよいでしょうか」と遠慮がちに言われることがあります。  
結論的に言えば,全く問題ありません。
これまで何度も子連れの方のご相談を受けましたが,問題になったことはありません。
逆に,親権を争っている離婚事件や面会交流の事件などでは,私自身,子どもの様子を把握することが出来るので,調停の場などで説得的に主張することができる場合もありました。  
個人的にも,私は子どもが好きなので,苦になりません。
   

■あえて言えば,ある程度物心がついたお子さんが,弁護士の事務所で一緒に話を聞かなければならないという状況に心が痛むことはありますが…
いずれにしても,私自身は,全く構いませんので,遠慮なく連れてきてください。
(プレイルームを完備するほどの広さはありません。申し訳ありません…)
   

2018年11月21日

◆時には厳しいことを言わせていただきます(弁護士小林徹也)


■相談に来られる方は,多くの場合,人生の一大事として,一大決心をして弁護士の事務所に来られます。
弁護士と会うのも初めてという方が多く,皆さん緊張しておられます。
   

■そこで,私は,出来るだけ話しやすいように,リラックスしてもらう雰囲気を心がけます。
「まとまってなくともよいですからまずは思いつくことから話してください」,あるいは「ではこちらから少しお聞きしていいですか」などと,話しやすい形式的なことからお聞きすることもあります。
堰を切ったように話される方には,時間の許す限りお話しいただいて,人心地着いてから,ゆっくりまとめていくこともあります。
   

■他方で,冒頭に申し上げたように,多くの方にとっては人生の一大事です。
十分な根拠もないまま楽観的なことを申し上げては,かえって相談者のためになりませんし,下手をすれば,労力や時間を無意味に失うことにもなりかねません。
   

■従って,厳しい結果を申し上げざるを得ない場合は,言い方には気を付けますが,率直にそのことを申し上げるようにしています。
もちろん,その結果を聞いてがっかりされる方もおられます。ただ,極めて低い可能性のために,時間を浪費していただきたくないですし,そのために費用をいただくのも心苦しいのです。
そのことは是非ご理解いただきたいと思います。

2018年10月24日

◆DV被害に遭われた方からのメールの紹介(弁護士小林徹也)


■夫から長い間DV被害に遭われ,その後,私の勧めもあり別居され,離婚調停を起こし離婚された依頼者の方から,先日,メールで挨拶が届きました。
ご本人の了解を得て,固有名詞等を削除したうえで,以下にご紹介致します(それ以外は原文のメールのままです)。
   

■長い間大変お世話になりました。ありがとうございます。
私はいま、エクセルとワードとパワーポイントの資格を取るためにパソコン教室に通っています。来年からは、新たに仕事を探したいと思います。
別れた夫も、再婚されたようです。
これで、安心して暮らせそうです。今思ってもあの生活は地獄のようでした。
昔の私と今の私は別人のように、顔が変わって本当に楽しいから笑えてる!写真を見ると別人のようです。
こんなに、毎日が穏やかに過ごせるとは思っていませんでした。
小林先生が早く解決して下さり、きちんとした対応をして下さったおかげだと思っております。
これからは、私自身が自立して、自分の足でしっかり立って、娘と共に笑って生きていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
   

DV被害は、「自分が悪いから怒鳴られるんだ,暴力を振るわれるんだ」と長い間言われ続け、自分で考える力を失ってしまいます。
先々の不安も沢山あり、追いかけて来られるのではないかとの不安と戦い、自分らしさを取り戻すのにはすごく時間がかかりました。
DV被害者も加害者も幼少期の親子関係から被害に合っていて、その生活がおかしいと思いながら、我慢してしまいます。連鎖が続いていきます。
その連鎖を断ち切り、普通の穏やかな生活があるという事を沢山の方に知って頂けたらと思います。
私が自分の口で,友人や身内にDV被害を受けていたと言えるまで時間がかかりました。別居してからでした。
恥ずかしい事だと思っていましたが、私がその事を伝えると数人の友人から、旦那から暴力や暴言を吐かれて生活をしている事がわかりました。
この生活が間違っていると気がつくまでには時間と、回りの手助けが必要です。
私も戻ろうとしてしまいそうな心と戦っていました。恐ろしくても、不安に潰れそうになってしまいます。
ぜひぜひ、沢山の方に知って頂き私みたいに笑って生活が出来るようになればと思います。
   

■この方に限らず,最初に相談に来られたときは生気がなかった依頼者が,別居をして徐々に元気を取り戻され生き生きとされていくのを見ると,私も安心します。
なかなか第一歩を踏み出すことが出来ない方も多いと思いますが,とりあえずお気軽にご相談ください。

2018年10月17日

◆「モラハラ」夫の「特徴」について(弁護士小林徹也)


■別項で「モラハラ」夫について触れたところ,その後もいくつも,「モラハラ」夫との離婚事件を扱いました。
ここに,「モラハラ」(モラルハラスメント)とは,「言葉や態度で巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力」というものだそうです。
不貞や借金を原因とした離婚は別として,離婚事件によく見られる夫は,このような「モラハラ」の常習者であることが多いようです。
そこで,「モラハラ夫」について少し特徴をまとめてみたいと思います(実際に扱った事例での特徴を抽象化したものです。また,すべての条件に当てはまる,という趣旨でもありません)。
   

■外面はよく仕事も結構真面目にする
「モラハラ夫」は,体裁を重んじ外面はよく,妻の友人などにも「よき夫」を演じていることも多いのです。
このため,妻はなかなか周囲に理解してもらえないことがよくあります。
また,仕事をよくする以上,経済面で家計費を中心的に担っていることが多いようです。
   

■妻や子は自分の「所有物」と思っている
基本的に妻や子を独立した一個の人格として見ていません。従って,「モノ」として大事に扱うことはありますが,自分の思い通りに動かないと大変機嫌が悪くなります。
「誰の稼ぎで食べているんだ」が口癖の方が多いようです。
   

■妻との関係で自分が絶対に正しいと思い込んでいる
とにかくモラハラ夫は,家庭内では自分が絶対に正しいと思っています。従って,妻や親族がどれほど説明しても絶対に自分の考えを曲げません。
   

■妻が納得するまで延々と話し続ける
そして,自分の考えが受け入れられないと,延々と(何時間も,場合によっては深夜まで)話し続け,妻が「自分が間違いでした」と認めるまで止めません。
このようなことが長年続くため,妻はそのうち,「マインドコントロール」されてしまい,夫の言っていることは常に正しく,自分が叱られるのが当然だと思いこむようになってしまいます。
家庭では,夫が主導権を握り,妻は夫の機嫌ばかりを伺うようになっていきます。
夫は,妻の行動にいちいち文句をつけたり,舌打ちをしたりします。また,機嫌の悪い時は無視を決め込みます。
これに対して,妻は,限界に至るまでそのような生活を続けることが多いようです。
   

■感情の起伏が激しい
とことん自分の主張を述べたかと思うと,翌日には別の人間のように優しくなったりします。
このため,妻は,「このような優しいところもあるのだから」とついつい自分を犠牲にして我慢してしまい,なかなか離婚に踏み出せないことが多いようです。
   

■両親や「家」を重んじる
モラハラ夫は,意外と自分の両親や「家」というものを大事にする傾向があります。
このため,離婚する条件として,今後妻や子が夫の姓を名乗らないことを主張してくる場合がよくあります。
   

■とても強い自己愛
自分のことには贅沢にお金を使うことが多いようです。
他方で,妻のみならず自分以外の人間に金を使うことを嫌う傾向があることから,モラハラ夫は意外と不貞に走りません(愛人にすら金を使いたくないようです)。
   

■このような傾向が分かったからといって直ちに救われるわけではありませんが,他方で,このような夫のもとで「私が間違っているのだろうか。私さえ我慢すればよいのだろうか」と悩んでいる方も多いようです。
直ちに救いの手となるかは分かりませんが,上記のような夫のもとで離婚を考えておられる場合には遠慮なくご相談ください。
別居後や離婚後には別人のように生き生きとされている依頼者をこれまで何度も見てきました。

2018年9月19日

◆収入の資料が少ない中,多額の婚姻費用が認められました(弁護士小林徹也)


■会社社長を相手とする婚姻費用の請求
自分で会社を作り,代表取締役を務めている夫を相手方として,妻の代理人として婚姻費用請求の申立を行いました。
相手方は,一応,会社から給料をもらっているという形をとっており,その資料として源泉徴収票を提出してきました。ただ,ゴルフ代や自家用車についても会社の経費として会社経理から支出しているようであり,源泉徴収票の金額だけが収入とするのは到底不合理なものでした。
   
 
■夫の生活状況について出来る限りの証拠を提出
ところが,通帳などもすべて相手方である夫が握っており,こちらは明確な資料が出せません。
そこで,夫の生活状況(持っているブランド物の衣服の写真,ゴルフに行っている写真など)を出来る限り提出し,「この収入でこんな生活ができるはずがない」と訴えました。
話し合い(調停)では結論が出ず,家庭裁判所に決めてもらうこと(審判)になったのですが,裁判所は,「夫の収入はもっと多い」という判断はしてくれなかったものの,夫も認めざるをえない様々な事実を根拠に,源泉徴収票から認められる金額よりもはるかに多い婚姻費用を認めてくれました。
   
  
■時には「血も涙もある」裁判所
一般の方は,裁判所は,数字を公式に当てはめるように,形式的に事実を法律に当てはめて結論を出していると思われるかもしれません。法律には,そのような計算式が定められていると思っている方も多いように思います。
ただ,私のこれまでの経験からすると,(もちろんいつも,というわけではありませんが)裁判所なりに,「この人を救わなくてはいけない」と考えると,少々理屈を曲げてでも,結論を出すことがあります。つまり,まず「この人を救う」という結論から理屈を考えるのです。
これは決して不当なことではありません。
法律はすべて,憲法13条の「個人の尊厳」を守るためにあります。つまり個人が尊重される結論でなければならないのです。
仮に,形式的な法律の適用がこの結論に沿わないなら,実質的にできるだけこの結論に合うような解釈を行うことはある意味当然なのです。
   

■そこで,私は,裁判所に対して,法的な理屈や,その根拠となる証拠だけでなく,「どうしてこの人を救わなくてはいけないのか。この人を救わないことが個人の尊重という原則に反している。」といったことも積極的に訴えるようにしています。
この件でも,(守秘義務の関係で詳細は言えませんが)理屈とは直接には関係ない相手方の不誠実な態度,それに対して妻である依頼者が出来る限り誠実に対応してきたこと,を訴えました。
そのような訴えに対する答えは,判決の表面には決して現れませんが,よく読むと,裁判官なりの「良心」が現れているような気がします。
   

2018年9月12日

◆不貞相手への慰謝料請求(弁護士小林徹也)


■不貞相手に慰謝料請求はできますか?
「妻とはうまくいっていない」「妻とはもう長年夫婦関係もない」「もうすぐ妻と別れて君と一緒になるつもり」などと言われ、相手の男性に妻がいることを知りながら、関係を続けたあげくに、男性から別れを切り出された女性からの相談を何件もお聞きしたことがあります。
このような場合、その女性から男性に対して慰謝料請求はできるのでしょうか?
   

■不貞の末の慰謝料請求は虫が良すぎる?
もちろん、相手方男性に妻がいることを知って関係を続けた以上、そのような女性から男性に慰謝料を請求するのは虫が良すぎる、という意見もあるでしょう。
法律的にも、このような慰謝料請求を認めることは、かえって不貞関係を保護することになり認められない、というのが原則論・建前論です。
ただ、このような関係もほんとうに様々です。
私が扱ったいくつかの事件では、(守秘義務の関係で詳細は述べませんが)男性側が,妻と別れることを示唆しながら,主導的に女性を誘ったうえ、何年もの交際のすえ、男性側の都合で一方的に別れを切り出したものです。 
女性は、その男性のために様々な機会を逃しました。それも一緒になれると信じていたからです。
そのような事情次第では、資力のある男性が、せめて金銭的な面で一定の「償い」をすることも、女性にとって必ずしも「虫がいい」とは言えないのではないでしょうか。
特に、日本における女性の社会的地位は、男性と比較してまだまだ低く、様々な点で,女性が男性との関係で主体的になることはできません。そして、それは決して当該女性のみの責任ではないと思います。
私が扱った事件でも、示談で済んだものだけではなく、裁判までいったものでも、(もちろん裁判官にもよりますが)裁判官の説得により男性から一定の金額の慰謝料を獲得しています。
   

■法で解決できるのは経済面だけですが…
このような相談を受けた時、私がいつも依頼者の方に申し上げるのは、「法律で解決できるのは金銭面だけです。あなたが味わったすべての苦しみを解決することは到底できません。ただ、自分にとっての区切りとするために、示談をすることも意味があるかもしれません」ということです。
弁護士は、所詮、法律という限られた分野での専門家に過ぎません。ただ、法的な解決が、気持ちの中で一定の区切りになることもまた事実です。
同じくこのような事件でよく依頼者の方に言うのが、弁護士としてではなく、あくまで個人的な意見として、と断ったうえで、「早く前向きに生きたほうがよいですよ」ということです。
もちろんなかなか割り切れるものではないと思いますが,他方で,客観的な第三者から「どうにもならないことである」という認識を示してもらうのも意味があることもあり得ます。
いずれにしても,依頼者の方とよく話し合って、よい解決を目指したいと思います。
   

2018年8月29日

◆離婚事件と子どものこと(弁護士小林徹也)


■最近離婚事件の受任が増えています。
出来る限り身内で解決してしまおうとする発想から、徐々に、第三者的な機関で合理的に解決してもらったほうがよい、という考えが浸透してきているせいでしょうか。
そのこと自体は必ずしも悪いことだとは思いません。
   

■ただ、私がいつも気になるのは、子どものことです。
夫婦は、それぞれが一応は、自分の選択で選んだ相手です。
もちろん、問題のある配偶者の法的責任を否定するものではありませんが、ある意味、自分で選んだのだから仕方ない、という側面は否定できません。
   

■他方で、子どもは生まれてくる環境を選べません。両親を選ぶことはできません。
そして、子どもたちは、幼くても、両親の仲についてとても敏感です。
また、思った以上に気を遣っています。このような敏感で繊細な子どもの心を最も苦しめるのは、親権者の選択の意向を確認される時のように思います。
   

■私が扱った事件においても、離婚自体には合意していても、父親も母親も「子どもは自分のほうになついている」と言って親権でもめることがよくあります。
このような場合、父親も母親も積極的に嘘をついている場合は少ないように思います。
むしろ、子どもが、それぞれの親から例えば「お父さんとお母さん、どちらが好き」などと聞かれた時に、聞いた親の事を慮って、その親に好意を示す表現をすることが多いのです。
   

■依頼者の方は、このような場合、「私のほうに来たいと言っている」と主張されますし、私自身もそれを否定する根拠があるわけではないのですが、子どもの繊細な心情を出来るだけ共に考えるよう心がけています。
   

■また、子どもの年齢にもよりますが、場合によっては家裁の調査官という立場の専門家が、子どもの意向を確認する場合もあります。
私も経験したことがありますが、専門家と言えども短時間での様子からの判断ですから、絶対に正しいとは言えない場合もあり難しいところです。
   

■生まれてくる環境を選べず、また、自らの気持ちをきちんと表現する力も備わっていない子どもらが紛争に巻き込まれている姿を見ると、いつも心が痛みます。

2018年8月8日

◆不貞問題に関する相談が増えています(弁護士小林徹也)


■不貞問題に関する相談が増えています。
夫が別の女性と不貞をしたので慰謝料を請求したい,あるいは不貞相手である男性の妻から慰謝料を請求された,などです。
今回は請求された場合のことを中心に述べたいと思います。
   

■不貞,すなわち配偶者がいることを知りながら,夫である男性,または妻である女性と男女関係を持つことは,法律上,違法行為と評価されます。
私も弁護士である以上,これを正当化することはできません。
他方で,相談を聞いていると「不貞を行った人=社会的に不適格な人」と決めつけることはできないように思います。
   

■相談に来られる方(たまたま女性が多いのですが)の多くは,極めて普通の常識を持っておられます。
逆に,だからこそ,「自分が誤ったことをした」という罪の意識にさいなまれ,憔悴しておられる方が多いように思います。
そのような場合,弁護士として具体的に出来ることは,相談者の経済的な負担(つまり支払う慰謝料の金額です)を出来るだけ減額することがメインとなりますが,他方で,「弁護士に相談に来られた以上,経済的な問題と割り切って前に向かって進んでください」と励ますようにもしています。
   

■乱暴な言い方かもしれませんが,このような種類の事件をお受けして,最終的に解決しなかったということはありません。
弁護士に相談することは勇気がいるかもしれませんが,私としては,出来るだけリラックスしていただけるよう配慮しています。
まずは,お気軽にお電話ください。

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