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2019年4月1日

◆モラハラやDVにより自主的な判断能力が弱まってしまう妻-特にお金の持ち出しについて(弁護士小林徹也)


■相変わらず,離婚のご相談をよく受けるのですが,夫からの「マインドコントロール」により自主的な判断能力が低下している方がおられます。
   

■例えば,婚姻後の妻の協力があって貯めたお金であるにもかかわらず(従って,法律上は名義にかかわらず共有財産です),別居しようとする時,「夫の了解を得ずに使ってもよいのでしょうか」などと迷われて当職に相談されることがあります。
もちろん,別居後の夫の生活にも配慮することは必要ですが,名義がいずれであっても半分は妻のものなのです。別居後の生活のために,ある程度のお金を持ち出すのは当然のことです。
   

■これに対し,夫側が「自分の名義の金を引き出して持って出たら横領や窃盗になる。そんなことをしたら警察に被害届を出す」などと主張し,妻がこれに怯え,動けないことがあります。
しかし,共有財産を合理的な範囲で使ったり持ち出したりしても,決して犯罪は成立しません。
私がご相談を受けた件でも,実際に夫側が警察に被害届を出したケースはいくつもありますが,現実に警察が動いたりしたことは一度もありません。
   

■もちろん全く無制約に使っていいというわけではありませんが,たとえば無職の妻が別居にあたってある程度の金を持ち出すのは当然のことです。
自分名義の金がないからといっていつまでも夫にしばられている必要はありません。
ただ,どの程度なら問題にならないかの判断に迷われるのは当然のことでしょうから,そのような場合には遠慮なく当事務所までご相談ください。

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